ストレスは悪玉コレステロールを増やす?

コレステロールには食生活が大きくかかわっていることは明らかですが、実はストレスもコレステロールの値に影響を及ぼしているのをご存知でしたか?

ストレスでLDLコレステロールが増える

LDLコレステロールは、別名「悪玉コレステロール」とも呼ばれています。肝臓からコレステロールを体の各部分に血液に乗せて運ぶのがLDLコレステロールの役割ですが、この値が増えてしまうと、血管壁に余分なコレステロールが貼りついて血管を固くし、その結果血流を阻害して動脈硬化を起こします。強いストレスを受けると、このLDLコレステロールが増えます。なぜでしょうか?大きなストレスは自律神経を乱します。自律神経の働きが悪くなると、副腎皮質ホルモンが分泌されます。この副腎皮質ホルモンは血液中の遊離脂肪酸の量を増やしてコレステロールや中性脂肪が作りだされるのを助けます。さらに、自律神経の働きが乱れると交感神経が刺激されてカテコラミンという物質が分泌されて血管を収縮させて血圧を上昇させてしまうのです。

ストレスは動脈硬化を促進する?

仕事や人間関係、家族、経済的な問題や健康上の問題など、私たちの周りにはストレスとなる事柄がたくさんあります。では、どのようにストレスを発散しているでしょうか?たくさん食べる、夜中にお菓子を食べる、あるいはお酒を大量に飲む、タバコが増える…そんなふうにストレス解消をしていませんか?喫煙や飲酒はLDLコレステロールの生成を促します。また、過食や深夜に食べる習慣は血圧や血糖値をあげることになります。こうした習慣は血管が動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞などの深刻な結果を招きます。

コレステロールが高くても問題ないって本当?

コレステロールが高いと体に悪いとよく言われますが、最近は「コレステロールが高くても問題ない」「むしろコレステロールが高い人は長生きする」という人もいます。本当なのでしょうか?

コレステロールは高くてもよい?

コレステロールは私たちの細胞やホルモンなどの材料となる大切なものです。ですが、量が増えると血液がドロドロになり動脈硬化を起こします。ところが、大阪府守口市市民健康センターの調査によれば「コレステロールの数値が高い人ほど長寿」であると報告されたのです。この調査を受けて、コレステロールの数値が高くても問題ない、という人が増えました。ですが、この言い方は正しくはありません。正しくは、HDLコレステロール(善玉コレステロール)の値が高く、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)の値が低ければ問題ない、と言えます。

小型LDLコレステロールとは?

悪玉コレステロールと言われるLDLコレステロールには、さまざまな大きさがあります。心筋梗塞などの心臓疾患を起こした人のLDLコレステロールを調べると、特に小型のコレステロールが多くみられます。小さいと血管壁に侵入しやすく、血液中に長くとどまるため酸化しやすくなります。すると、マクロファージという白血球の一種が、異物と誤認してとりこんで血管壁に沈着させます。すると、血管はより硬くなり動脈硬化をおこします。ですから、コレステロールの数値が高い人は専門医を受診して詳細な内容を知るように心がけましょう。どのコレステロールが値が高く、どのコレステロールの値が低いのかということが重要なのです。

LDLコレステロールとたばこの関係

たばこは肺ガンや咽頭ガンの一因であることはよく知られていますが、コレステロールにも影響を与えることは案外知られていないかもしれません。今回はたばこが悪玉コレステロールに与える影響についてご紹介します。

たばこがコレステロールに与える影響

たばこに含まれるニコチンは発ガン性物質ですが、それだけでなく脂質の代謝にかかわるリポタンパクリーゼという酵素を不活性化させてしまいます。リポタンパクリーゼは中性脂肪を遊離脂肪酸とグリセロールに分解する酵素です。この酵素の働きを阻害してしまうので、いくら代謝を高めて中性脂肪を減らそうとしても喫煙している限りは、なかなか中性脂肪を減らすことができなくなります。中性脂肪と悪玉コレステロールであるLDLは比例するので、中性脂肪が増える=悪玉コレステロールが増える、という結果になります。

たばこは動脈硬化を進行させる?

悪玉コレステロールが増えると、血管壁にコレステロールがつき、血管を狭めて動脈硬化を起こしやすくなりますが、喫煙はさらに動脈硬化を進行させてしまうという弊害があります。喫煙するとニコチンの刺激でアドレナリンなどのホルモンが分泌されます。すると、血圧が上がり脈拍が増えます。さらに、血液中にニコチンが増えると血管はもろくなります。一酸化炭素も増加するので、血管の内部が炎症を起こします。この炎症を静めようとして肝臓ではLDLコレステロールが大量に作られ、結果としてコレステロール値が上がるうえに動脈硬化の危険を倍増させます。まさに百害あって一利なしとはこのことです。

悪玉コレステロール(LDL)を増やす食べ物

コレステロールは脂質ですが、脂肪にもさまざま。悪玉コレステロール(LDL)になりやすいものもあれば、善玉コレステロールを増やす食べ物もあります。では悪玉コレステロールと言われるLDLを増やしてしまう食べ物はなんでしょうか?

飽和脂肪酸に注意!

脂肪にはオレイン酸、リノール酸などのいろいろな種類があります。そのなかでも特に悪玉コレステロールを増やしてしまうのは飽和脂肪酸です。飽和脂肪酸とは、バター、牛脂、ラード、植物油の一種であるパーム油などに含まれています。常温では固体になるため、体の中でも固まりやすく、コレステロールだけでなく中性脂肪も増加させる作用があります。ちなみに、最近話題のココナッツオイルも飽和脂肪酸ですが、バターやラードが長鎖脂肪酸なのに対してココナッツオイルは中鎖脂肪酸といって、同じ飽和脂肪酸でも、吸収が早く体内に蓄積されにくいという特徴を持っているので問題ありません。鶏の皮、ベーコン、脂身の多い肉にも飽和脂肪酸は含まれています。

コレステロールを多く含む食品

100g中あたりのコレステロール量が、250㎎を超える食品には、卵、スルメ、桜えび、煮干し、あん肝、イクラ、すじこ、イカ、鶏レバー、ウニ、ししゃも、豚レバー、チョコレート、ポテトチップスなどがあります。魚卵、内臓系、お菓子類などはかなりコレステロールが高くなります。卵はコレステロールが高いのですが、実は卵は善玉コレステロールを増やしてくれるうえ、悪玉コレステロールを減らすという働きを持っています。栄養価も高いので、ぜひ積極的に食べてください。

更年期にはLDLコレステロールに注意

更年期以降は、生活習慣病にかかるリスクが高くなります。もし、健康診断などでコレステロールが高めと診断されたら気を付けましょう。

女性ホルモンとコレステロールの関係

女性の体は女性ホルモンの影響を強く受けています。妊娠や出産ができる体を作るために、エストロゲンとプロゲステロンという2つのホルモンが卵巣で作られており、この2つをまとめて女性ホルモンと呼ばれています。女性の体に欠かせないホルモンです。ところが、更年期が近づくと卵巣の働きが低下して、この女性ホルモンの分泌が少なくなっていきます。さて、女性ホルモンには、脂質や糖の代謝を調整してくれる働きがあります。ですがこの働きが弱くなると、脂質が代謝されずに脂質異常症のリスクが高まります。つまり、コレステロールの量が増えて血管の壁にへばりつき、血管内を狭くしてしまうのです。

更年期に増える悪玉コレステロール

とくに閉経後には悪玉コレステロール(LDL)の値が高くなる傾向にあります。これには、更年期に減少した女性ホルモンの一つエストロゲンが関係しています。エストロゲンには血中のLDLコレステロールを肝臓に取り込む受容体を増やす働きがあります。ですが、エストロゲンが減るとこの受容体も減ってしまうので、血中のコレステロールが十分に回収できなくなります。そして、血中に増えたLDLコレステロールは血管の壁に入り込んでやがて動脈硬化をひきおこすのです。心筋梗塞や脳梗塞などの深刻な事態がおきるまえに、食生活や生活習慣を改善して早めの対策をとることをおすすめします。

LDLコレステロールとHDLコレステロールの違いは?

よく善玉コレステロール、悪玉コレステロールという言葉を聞きますが、2つのコレステロールに一体どんな違いがあるのでしょうか?

善玉(HDL)コレステロールとは?

コレステロールは本来、私たちが生きていくうえで必要不可欠なものです。細胞の細胞壁や脂肪の消化を助ける胆汁酸の原料ですし、体内でビタミンDを作るのを助けます。またホルモンを作りだす元にもなります。生命活動を支えるのに必要なものなのです。このコレステロールは脂質なので、そのままの状態では血液に溶け込むことができません。そこで、特殊なタンパク質がくっついてリポタンパクという形になって体内を巡っています。そしてこのリポタンパクにはいくつかの種類があり、HDLコレステロールもその一つです。血液中の余分なコレステロールを肝臓に運んで処理します。血中のコレステロール増加を防ぐ役割をしているので、HDLコレステロールは善玉コレステロールと言われます。

悪玉(LDL)コレステロールとは?

HDLコレステロールが血管にたまったコレステロールを肝臓に運ぶのに対して、LDLコレステロールは肝臓のコレステロールを体の隅々にまで運ぶ役割をしています。ですから本来は必要なコレステロールなのです。ところが、LDLコレステロールが増えすぎると、体中にコレステロールが増えて動脈硬化を促進し、心筋梗塞や脳梗塞を起こすリスクが高まります。ですからLDLコレステロールは悪玉コレステロールと呼ばれているのです。

LDLコレステロールが増えるとどんなリスクがある?

LDLコレステロールは、肝臓のコレステロールを体の各器官に運びます。もし増えすぎると、血管壁に余分なコレステロールがたまってしまいます。では、どんなリスクがあるのでしょうか?

脂質異常症

血液中にLDLコレステロールと中性脂肪(トリグリセライド)などの脂質が高い状態を、脂質異常症といいます。以前は高脂血症とも言われていました。脂質異常があっても通常は何の症状もありません。ですが脂質異常はいわば血液がドロドロの状態です。当然、体に良いわけがありません。自覚症状がないために気づくのが遅れ、ある日突然、症状が出るのです。ですから、健康診断で脂質異常症の疑いあり、と言われたなら放置せずに、すぐに受診して医師の指導を受けることが大切です。特に最近は30代から50代の働き盛りの年代の方に脂質異常症の人が増えているので、ふだんから食生活や運動不足に注意し、なるべく規則正しい健康的な生活を心掛けることでコレステロール値をおさえましょう。

血液ドロドロ動脈硬化のリスク

血液中のコレステロールの値が高いと、動脈の内壁にコレステロールがたまって血管が硬くなります。すると血流が滞って動脈硬化がおきます。その結果、心臓の筋肉に酸素と栄養を送る冠動脈が細くなって心筋梗塞がおこったり、脳の動脈がつまって脳梗塞をおこしたりします。心筋梗塞や脳梗塞は突然死につながることがあるので、たかがコレステロールと甘く見てはいけないのです。

悪玉(LDL)コレステロールを減少させる食品は?

“食事によって悪玉コレステロール(LDL)を減らすことができるのでしょうか?食生活を改善して、動脈硬化の原因になる悪玉コレステロールを下げましょう。

「EPA」と「DHA」たっぷりの青魚

マグロ、サバ、サンマ、イワシ、ブリなどの青魚に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)は体内の悪玉コレステロールと中性脂肪の値を下げて血液をサラサラにします。しかも、善玉コレステロールを増やします。EPAとDHAを効率よく摂取するには刺身で食べるのが一番です。加熱調理する場合は、蒸し焼き、ホイル焼き、煮魚などにするのがおススメです。網焼きにすると脂肪が流れ出てしまうので、焼き魚にするならフライパンで焼くといいでしょう。また、缶詰には生魚と変わらない成分が含まれています。

タウリンを含む食品と大豆食品

肝機能が低下するとコレステロールが処理できずに血液中にたまってしまいます。ですから肝機能をアップさせるタウリンを多く含む食品を食べましょう。タウリンはタコ、イカ、ホタテ、カキ、サザエ、アサリなどの魚介類に多く含まれています。タウリンは水溶性なので水に溶けます。煮る場合には野菜と一緒に煮て煮汁も食べるようにしましょう。さらに、大豆に含まれる大豆タンパク質はコレステロールを低下させます。大豆タンパク質の一部が胆汁酸と結合して排出され、新たな胆汁酸を作るため、血液中からコレステロールが肝臓にとりこまれて、血中のコレステロールが減ります。

悪玉(LDL)コレステロールが高くなる原因

悪玉コレステロールなんて自分には関係ないと思っていませんか?ですが、実は知らないうちにコレステロールがたまりやすい生活をしていることもあるのです。では、悪玉コレステロールが高くなる原因はなんでしょうか?

加齢

残念なことにコレステロールは年と共にたまっていきやすくなります。若いころは新陳代謝がよいので、コレステロールが多く含まれている食事をしたり、コレステロールがたまりやすい生活をしていても、余分なコレステロールはすぐに排出されてしまいます。ですが、年をとってくると若いときのようにはいかなくなります。年齢と共に基礎代謝が悪くなり、コレステロールがたまりやすくなるのです。30歳から50歳にかけてコレステロールが高くなるので、30代になったら一度自分の食生活や生活習慣を見直してみると良いでしょう。

運動不足と炭水化物ぬきダイエット

社会人になると仕事が忙しくて、ついつい運動不足になりがちです。ウォーキングやランニングを定期的に行ったり、ジムやプールに通っている人はコレステロールが排出されやすく体内に蓄積されにくくなります。特に40代以上になると、なにもしなくても基礎代謝が落ち、そこに運動不足も加わるとどんどんと悪玉コレステロールが増えていきます。また、ダイエットの方法によっては、悪玉コレステロールを増やすことになります。たとえば炭水化物を抜くダイエットは、ご飯を抜く分おかずを食べる量が増えます。肉や卵、脂質を摂取する量が増えて体重は減ったのにコレステロールは増える結果になるのです。

悪玉(LDL)コレステロールとは?

コレステロールというと、あまり良いイメージはないかもしれません。ですが、実際コレステロールとはなんでしょうか?私たちの体にとってどんな影響を与えるのでしょうか?

コレステロールトは必要?

コレステロールとは脂質の一種で、私たちが生きていくうえで重要な働きをする、なくてはならないものです。人の体内には100~150gのコレステロールがあります。コレステロールは細胞を包む細胞膜を構成し、ホルモンの原料になります。さらに、体内にあるコレステロールの4分の1は脳に存在しています。その大部分はミエリン鞘と言われる部分にあります。ミエリン鞘は、脳から体の各部分に神経情報が伝達されるときに、情報が間違ってほかの回路に迷い込むことなく正しく伝えられるように、神経線維を保護している、いわば絶縁体のような役割を果たします。

悪玉(LDL)コレステロールは動脈硬化の原因になる

このようにコレステロールには大切な役割がありますが、悪玉コレステロールとはなんでしょうか?LDLコレステロールは、コレステロールを体の必要な部分に血流に乗せて運ぶ役割をしています。ところが、たくさん運びすぎると、細胞の中に取り込まれずに残った余分なコレステロールが血管の中に溜まっていきます。そしてそれは動脈硬化を起こす原因になるのです。動脈硬化はそのまま放置しておくと心筋梗塞や脳梗塞を引き起こし命の危険を招きます。ですからLDLコレステロールは一般に「悪玉コレステロール」と呼ばれるのです。